今年の9月頃にメールで次のような問い合わせがありました。「成人式で振袖を着る予定です。私は義足なのですが、指先が分かれていないので、草履が履けません。何かよい方法はないでしょうか?」
母と2人でしばらく悩みましたが良い考えが浮かびません。「鼻緒がない草履」、どうやって足に固定するかが問題です。でもせっかくの成人式ですから、何とかしてあげたい。夏が過ぎ、秋になってそろそろ準備しなければと思っていたところ、ふと雨草履が目に入りました。
透明なカバーがついているから、鼻緒がなくても大丈夫かもしれない!
その方は東京で学校に通っている学生さんで、日曜日にお店に来ていただき、母と私と3人であれこれ相談した結果、台にはできるだけ傾斜をつけず、ベルトのようなものを同素材で作って固定することにしました。
仕事を頼んだのは、うちと古い付き合いのある職人さんで、快く引き受けていただけました。
そしてついに出来上がったのがこちら。
ほぼ平らの台には、裏に滑り止めまで付けていただき、台と同素材のベルトには、母がマジックテープを貼って、台に留めました。
ご実家は関西方面なので、直接送ることにしました。無事成人式で役目を果たしてくれるといいのですが。