人気ブログランキング | 話題のタグを見る
請戸の田植踊と被災地の今
先日、ブログで福島県浪江町の「請戸の田植踊」に下駄を寄贈させていただいた
話を書きましたが、2月19日にその下駄を履いて踊った子ども達の写真が届きました!
田植踊は本来、毎年2月に地元の苕野神社(くさのじんじゃ)の安波(あんば)祭りで
奉納されるのですが、神社も失ってしまった今年は、福島市と二本松市の仮設住宅を訪ね、
踊りを披露することにしたのだそうです。

ご縁のきっかけとなった佐々木さんからは、「警戒区域内である請戸の苕野神社の前で
踊りたかったのですが、散り散りになった避難先へ出向き、ふるさと・地域の絆を
深めるために踊ってきました。
私も踊り子達も1日中下駄を履いていたのですが、疲れも無く足にぴったりで、
痛くないと皆大変喜んでおります」
と連絡をいただきました。
請戸の田植踊と被災地の今_d0028327_15504754.jpg

請戸の田植踊と被災地の今_d0028327_1551088.jpg

請戸の田植踊と被災地の今_d0028327_15511271.jpg


写真を送ってくださった「請戸芸能保存会」会長の渡部さんからのメールには、
次のように書かれていました。
「私どもは、着の身着のままで避難をし、多くの方々からご支援を頂いて
伝統芸能の復活を果たさせて頂き今に至っております。
当初は、友達と会うことが楽しみだった子供たちも、今では避難している方に
元気をあげることと、犠牲になられた方々の追悼へと自覚が変わっており、
その成長を見るに付け1年の時間を感じております。」

子ども達の成長が、あまりに辛い出来事ゆえという現実に、心が締めつけられます。
渡部さんからは、請戸の皆さんが暮らしていた町の現状の写真も送っていただきました。
3.11直前の、町が被害に合う前のお祭りのようすと比べると、
テレビなどで見るより生々しく惨状が伝わってきました。

震災前の安波祭り
請戸の田植踊と被災地の今_d0028327_1552566.jpg

請戸の田植踊と被災地の今_d0028327_15523621.jpg


津波で流されてしまった200戸の集落があった場所
請戸の田植踊と被災地の今_d0028327_15541746.jpg

漁協と旅館があった場所
請戸の田植踊と被災地の今_d0028327_1604655.jpg

自宅の仏壇に手を合わせる人
請戸の田植踊と被災地の今_d0028327_1614910.jpg

神社拝殿があった場所
請戸の田植踊と被災地の今_d0028327_162864.jpg


渡部さんも以前は漁師だったそうですが、津波に遭遇して
「毎日地震・津波の言葉が頭から離れず近寄る事さえ躊躇する」ことがあるそうです。
人間がどんなに抵抗しても、自然の力には勝てないという謙虚な気持ちは、
現代社会では忘れてしまいがちです。
日々、海や川で漁をしたり、畑で野菜を作っている人々よりももっと、
都会で暮らす私たちこそ、そのことを常に考えなくてはいけないのだと思います。

7月28、29、30日に「請戸の田植踊」が明治神宮で奉納されます。
「子供たちの中には親や姉、祖父母が犠牲になった子もいるので、
意義深い追悼が出来ると思います」と渡部さんはおっしゃっています。

もうすぐ東日本大震災から1年が経ちます。
メディアによって報道にかなり温度差があると感じますし、
一般の人々の衝撃も薄れてきているのは否めません。
いちばん怖いのは、無関心になることです。
被災者の方々から直接お話を聞き、今後の日本について一緒に語ることが、
私たちにできることではないでしょうか。
関心を持っていただけたら是非、7月の明治神宮に、
子ども達の踊りを見に行って欲しいです。
※写真は使用許可をいただいています。
by TomitaRie | 2012-02-28 16:02 | 下駄・草履・和装のこと


<< 着物とお酒を楽しむひなまつり 月刊「EXILE」に掲載された草履 >>