月刊アレコレvol.88の特集「履物の基本の基本」で取材していただきました。
着物の本や雑誌は多々、出版されているけれど、
履物についてきっちり書いてくださることは少ないので、とてもありがたいです。
草履と下駄の基本を短くまとめて、写真もたくさん載せてくださいました。
もっと詳しい説明が必要な方は、ぜひ浅草のお店までお運びください!
お店にいらしてくださるお客さまには、できるだけ丁寧にご説明していますが、
すべては伝えきれないし、こういう冊子が手元にあると本当に嬉しい。
うちの方針は、お客さまが本当に必要なものを、可能な限りご提供して、
満足していただくことです。購入されなくても、まったく構いません。
皆さんが不安に感じている履物についてのいろんな事をお伝えするのも、
私たちの使命と考えており、「あさくさ和装塾」でも毎回テーマを決めて、
塾長が少しずつお話させていただいています。
草履や下駄は、着物にはなくてはならないものですが、
作り手がどんどん高齢化しているのが現実です。
うちのような挿げの職人はもちろん、
鼻緒を作る職人、草履のコルクを作る職人、畳表を作る職人、
その他、履物を作るための道具を作る職人も、どんどん減っています。
その人達がいなくなり、技術が途絶えてしまったら、
今のような草履や下駄、雪駄は、もう手に入らなくなるということ。
樹脂やラバーを使った草履は、たしかにアスファルトの道では便利かもしれませんが、
そればかりになってしまうと、日本人が使い続けてきた履物は、
この世から消えてしまうのです。
私は家業を継いで、店を続けて行く役割につきましたが、
同時に、代々日本人に伝えられてきた和装履物を残すことも、
自分のミッションだと思っています。