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歌舞伎にちなんだお散歩企画「知らざぁ、行って見て聞かせやしょう」
先日、友人と企画して、歌舞伎座の7月公演「東海道四谷怪談」にちなんだ、
隅田川近辺のゆかりの地をたずね歩きました。
参加者は十数人。梅雨とは思えないカラッとしたお天気に恵まれ、
まず最初に訪れたのは押上の春慶寺。
大通りに面した近代的な建物です。
http://www.syunkeiji.jp/html/syunkeiji.html
「東海道四谷怪談」の作者として有名な、四世・鶴屋南北の菩提寺です。
ご住職の奥さまがみずから説明してくださいました。
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南北は日本橋の紺屋の生まれ。
下積みが長く、49歳過ぎてから73歳で亡くなるまで大作を次々に発表しました。
「東海道四谷怪談」は69歳の時の作品です。
文政12年(1829年)11月27日に亡くなった南北の葬儀は、
翌年1月13日に春慶寺で盛大にいとなまれました。
深川の黒船稲荷の自宅から春慶寺まで、裃をつけた役者衆の長い葬列が続いたといいます。
参列した大勢の人々には、生前あらかじめ書き上げた自らの葬いを
めでたい萬歳(まんざい)に仕立てた「寂光門松後萬歳」(しでのかどまつごまんざい)の
台本が配られました。

驚愕したのは、地下の自動参詣システム納骨堂。
カードを入れると、御遺骨が納められた木製漆塗仕上げの御堂が自動的に拝殿口に運ばれ、
扉が開いてお参りができるのです!
「鶴屋南北」さんのカードを入れると、そこには・・・。
南北さんのお墓の下の土をここにご供養しているそうです。
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初めてご挨拶にうかがった際、私の名刺をお渡ししたのですが、
奥さまから翌日「浅草の辻屋さんはたしか、熱心な信者さんでした」というメールをいただきました。
私の祖父、辻政(つじただし)は浅草の明治37年辰年生まれで
「三七辰会(みなたつかい)」という会を作っていて、辰年・巳年の守り本尊である
普賢菩薩を信仰し、春慶寺には度々参っていたというのです。
父に聞いたところ、よく覚えていて、祖父の形見として、
普賢菩薩が刻んであるペンダントを見せてくれました。
ずいぶん昔のことを奥さまが覚えていてくださったのにも感動しましたが、
ご縁がまた繋がったのは、何か導かれたような気がします。<続く>
by TomitaRie | 2013-06-09 16:42 | 東京したまち


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