蒲田の呉服店「丸屋」の女将、谷加奈子さんにお誘いいただき、
「着物でスパニッシュナイト」という集まりに参加しました。
年齢、職業さまざまな女性たち、初対面のかたがほとんどでしたが、
暑さも忘れ楽しい夜を過ごしました。
ドレスコードは夏着物だったので、私は大きな格子柄の紗の着物に羅の帯。
この帯は祖母が残したものです。
`大奥さん’と呼ばれ店を仕切っていた祖母は、
優しいおばあちゃんというより、ちょっと怖い存在だったのですが、
こんな可愛い帯を持っていたなんて、意外な面を知ったような気がします。
いつも下駄が多い私ですが、少々気合を入れてお出掛け用の本パナマ草履で。
年々、価格が上がるパナマ草履ですが、やっぱりステキですよね。
集まった女性たちは年齢も職業もさまざま。
着物歴はまだ浅いです、とおっしゃるかたのほうが多かったのですが、
帯合わせも小物づかいも、皆さんバッチリ。
以前、何かで女優の岸恵子さんが
「洋服のお洒落が上手な人は、着物でもお洒落。でもその逆はあまりない」
というようなことを書いていらした記憶があります。
これ、そのとおりだと思うのです。
着物関連のプロの人々は「和装はファッション」という意識が薄いような気がします。
一般的には洋服よりずっと高価な着物は、着る人にしてみれば洋服以上に自分を魅力的に見せたい。
ひと昔前のように、着物は箪笥の中に入れておくためのものではありません。
作る側、売る側が、もっとお洒落の感度を上げていかないと、着る人のレベルについていけません。
なのに、いまだに着物業界の中には、うんちくばかり語る人も少なくありません。
履物も、着物姿がより素敵に、お洒落に見えるように、
こちら側がつねにブラッシュアップしなければならないなと、自戒を込めて書きました。