ZOZOSUITから着物について考えてみた
話題のZOZOSUIT、おもしろいなぁ。
「人が服に合わせる時代から、服が人に合わせる時代へ。」
がコンセプト。
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採寸用の計測スーツを着てスマホの前で360度回ると、専用アプリが計測スーツのマーカーを認識して、自分の体のサイズが自動的にスキャンされ、計測したデータで自分サイズの服をオーダーできるというもの。
現在の展開ではビジネススーツ、オックスフォードシャツ、デニムパンツ、Tシャツを作れるみたい。
うちの若手職人がキャンペーン期間中に試しに注文して、実際に採寸してみたそうです。自撮り用にスマホを立てるキットまで付いてくるとか。
ネットで調べると使い勝手について評価はさまざまのようですが、始まったばかりなので今後まだまだ進化していくのでしょうね。

洋服が立体的に裁断されているのに対し、着物は直線で裁断して直線に縫っています。
洋服はいろんなデザインがあるけれど、ボタンやファスナーの位置は決まっているし、ジャケットでもズボンでも体の形に合わせて作られているから、着方は1通りしかありません。
誰が着ても同じ着方になる。


一方、着物の形は基本的にすべて同じ。男女もほとんど変わらない。
体に合わせて作られていないので、着方は着る人の自由です。
衿の合わせ方、裾の長さ、おはしょりの出し方、帯の位置など、着る人の体型や好み、その日の気分など自由に着こなせます。
まさに「服が人に合わせる」のが着物。


私の母が若い頃は、洋服を自分で縫うことが珍しくなかったと聞きますが、その後大量生産の時代になると洋服は作るものから買うものになり、やがてグローバル企業によるファストファッションが台頭します。
その次にくるのがIT化による自分サイズの洋服だとしたら…。


洋服とは真逆の着物が、別の視点から見直されてもおかしくないのでは?と思いました。
着物は「着方が難しい」「面倒くさい」「窮屈で疲れる」などの印象が根強いようですが、体に巻き付けて紐を締めるだけなのだから、何も難しいことはないのです。
私は毎日着ているせいか、洋服よりコーディネートがずっと易しいと思う。
アクセサリーも要らないし。
ゆったりでもきっちりでも、好きなように着られるのだから、洋服よりよほどラク。
着物に対する思い込みを手放せば、むしろ体にとても快適なのが着物であると思います。


ZOZOSUITは靴用に足の採寸もできるよう研究中ということです(もうできたのかな?)。
足全体を覆う構造である靴と違い、下駄や草履など和装履物は鼻緒だけで足にフィットさせます。
つまり着物と同じく、鼻緒の挿げかたで、どんな形の足にも自由に合わせられるのです。
逆に言えば、履き心地という点では鼻緒の挿げかたがもっとも重要ということ。
洋服と同じく靴は自分の足に合う一足を探さなければなりませんが、履物は自分の足に合うように鼻緒を自由に調整できる。
洋服と着物、靴と履物。
こうして比較してみると、180度視点が違うのがひじょうにおもしろいと思いませんか。


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by TomitaRie | 2018-08-08 18:06 | 下駄・草履・和装のこと | Comments(0)


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