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新時代を迎えるいま、SDGsについて考える
一昨日のブログでも書きましたが、平成は多様化の時代と言われる一方で、
世界的にグローバル化が進み、貧富の差が問題になっています
環境破壊はもはや危機的状況です。

そんな中で叫ばれているのが「持続可能な開発目標(SDGs)」。
2015年9月の国連サミットで採択された、2030年までの国際目標です。
持続可能な世界を実現するための17のゴール・169のターゲットから構成され、
地球上の誰一人として取り残さない(leave no one behind)ことを誓っています。

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SDGsは発展途上国のみならず、先進国自身が取り組むユニバーサル(普遍的)な
ものです。
「発展途上国支援や環境保護のボランティアの話でしょ」と考えている人が
多いのですが、実はあなたや私も「奪われている」当事者なのだということ。

たとえば浅草。
ふと見回すと何代も続いていたお店が廃業し、後にはコンビニやチェーンの
ドラッグストアが入る。そんな光景があっちでもこっちでも見られます。
レトロな雰囲気とおいしいケーキでファンの多かった「アンジェラス」や、
昔ながらの手焼きの固いお煎餅が特徴の「入山せんべい」も閉店してしまいました。
家族経営の個人店がどんどんなくなり、居酒屋も回転寿司も全国チェーンの店ばかりに
なってゆく…。

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浅草は個性的でおもしろい店がいろいろあって、それが目的で遠くからお客様も
やってくるし、テレビや雑誌でも取材されています。
なのに、この街はいま逆方向へ進んでいて、私はすごく危機感を持っているのです。

日本は中小零細企業が頑張っているとはいいますが、今の税制などからわかるように、
大企業や全国企業を優遇する方向なのは明らかです。
では本当に、日本中が全国企業/多国籍企業になり、日本人がみんなそこで雇われる
ようになったほうが幸せなのでしょうか。

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街から多様性が消えること、それはSDGsが目指す世界とは逆です。
世界中から人々が訪れる浅草こそ、そうなってはいけないと思うのです。
個人経営の店では商品も少し高くなるかもしれない。
注文しても時間がかかるかもしれない。
働く人たちにとって、労働環境は大企業より劣るかもしれない。
それでもチェーン店にない魅力があって、「好きだから」来てもらえるお店があり、
そんなお店を営むことを楽しんでいるオーナーがいる。
私は浅草がこれから先も多様性の街であって欲しいと願ってやみません。

辻屋本店では、職人が目の前で鼻緒を挿げてお客様に履いていただく商売を創業から
変わらず続けています。
大企業がつくる大量生産品とは正反対で、扱っている商品は、台も鼻緒も国内で
つくられ、すべて職人の手仕事です。
これからも私たちは、使い捨てではなく、メンテナンスや修理しながら長く使って
いただける履物を皆さんにお届けしたいですし、私たちの商売もSDGsに
つながるのではないかと考えております。

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by TomitaRie | 2019-04-29 13:24


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